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作付面積の約7割を占める千葉県のコシヒカリ。本州一の早場米の産地。

コシヒカリとは?

日本全国で栽培される「お米の王様」です。稲の品種名・銘柄のひとつでありその知名度は高く、日本で「コシヒカリ」という名前を聞いたことない人はほとんどいないと思われます。日本で最も多く生産されるお米であり、1979年から作付面積トップを守り続けるほど全国に出回っています。

 

数ある生産地の中で千葉県は9月の初めからコシヒカリを届けることできる関東一の早場米の産地として知られており、年間を通して安定した供給がされています。千葉県の収穫量は全国第9位で、全国第1位は新潟県です。日本で広く生産されていますが北海道ではコシヒカリの生育期間に必要な気温にならないため、生産されないようです。

 

 

千葉県産のコシヒカリは関東だけではなく、本州でも一番早く食卓に届くらしい。


 

強い粘りと甘みに優れる品種であり、「ごはんを味わうお米」として紹介され味の濃い料理にもピッタリです。

 

ただ色味が良い半面、背丈が高く風雨などによって稲が倒れやすく、倒れてしまうと収穫作業の難航、収穫量や品質の低下、穂が水に浸かると籾が発芽して収穫不可になるという欠点があります。

 

 

また「いもち病」に弱い欠点があります。いもち病とは稲に発生する定型的な病気であり、稲がカビの一種であるイネいもち病菌に感染することで発症します。

 

イネいもち病菌が稲に付着し、稲に水滴があると発芽して菌糸が毒素を出しながら稲の表皮細胞を破って侵入し、葉や穂を枯らします。品質の低下はもちろん症状が重い場合は稲が枯れてしまいます。雨が降り続くと感染の確立が高まるようです。

 

 

 

コシヒカリのルーツ

 

 

コシヒカリは稲の交配により誕生した品種のひとつであり、稲の原種ではありません。

 

コシヒカリは1944年に新潟県農業試験場の高橋浩之(たかはしひろゆき)が「農林22号(いもち病に強い)」を母、「農林1号(収穫量が多く味が良いがいもち病に弱い)」を父として交配を行いましたが戦時中だったため栽培は一時期見送りとなります。

 

1946年に高橋浩之は人事異動によって新潟を去ることになったため、交配された種子は福井県に送られそちらで栽培がおこなわれることになりました。

 

1948年から1952年までの栽培の結果、「越南14号」「越南17号」という2系統が誕生します。「越南17号」が後のコシヒカリとなるのです。「越南14号」は後に農林91号として登録されホウネンワセと名付けられ、コシヒカリの兄弟系統となります。

 

「越南17号」は1953年から20府県で適応性試験が行われますが、収穫量が少ない、茎が弱く倒れやすい、未熟粒が多いなど悪い結果が目立ちました。ただ米の味は良かったようです。

 

当時は米の味よりもたくさん生産できることの方が重要であったため、どこの県で見向きもされなくなってしまいました。育成を始めた福井県も採用を見送りましたが1955年、新潟県と千葉県が奨励品種として採用します。

 

奨励品種に選んだ理由として当時の主要品種である農林21号よりいもち耐性がある、安定した収穫量(農林21号よりはある)、味や品質が優れていたことにあるようです。そして福井県は新潟県と千葉県の奨励品種決定を受け、越南17号の命名登録を新潟県にお願いしました。さて、どんな名前がつくのでしょう。

 

新潟県はかつての新潟県と福井県である「越国(こしのくに)」に因み、「越の国に光輝く米」という願いを込めて「コシヒカリ」と命名しました。

 

 

因みにコシヒカリは新潟県が発祥の地とよく言われていますが、系統育成を行ったのは福井県なのでコシヒカリ発祥の地は福井県となります。新潟県はコシヒカリの種子を作り、命名をしていますが新潟県内で育ててはいないので、発祥の地ではないようです。

 

 

コシヒカリ発祥の地は福井県で、名付けの親は新潟県!!


 

 

 

まとめ

 

コシヒカリは日本で最も普及しているお米の銘柄であり、長年作付面積トップを誇る「お米の王様」です。粘りの強い食感に加え色味に優れ、日本を代表するポピュラーなお米として日々食卓に出回っています。毎日多くの人のお腹を満たしているのです。

 

先ほども言ったように新潟県で交配されコシヒカリの種子が誕生、福井県で系統育成、新潟県と千葉県の奨励品種決定に伴い新潟県がコシヒカリと命名しました。発祥の地と名付けの親が混同していてややこしいことになっていますが、お互いの協力でコシヒカリが誕生したということです。

 

我らが千葉県はお米の生産量全国第9位。茨城県や栃木県には負けてしまいますが関東一の早場米の産地です。5〜6月に田植えすれば8月中旬には「ふさおとめ」「ふさこがね」、8月下旬には「粒すけ」、9月上旬には「コシヒカリ」を出荷できるといいます。

 

 

早場米は秋の天候不順を避けるために作られるよ。


 

 

 

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