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房総の歴史、技術を再現する房総のむら。風土記の丘エリアは古墳だらけ。

房総の歴史、技術を再現する房総のむら。風土記の丘エリアは古墳だらけ。

房総のむらってどんな場所?

成田市と栄町にまたがって位置する、房総の歴史・技術をテーマにした参加型体験博物館です。江戸時代後期から明治時代までの町並みを再現した「商家の町並み」を中心に様々な伝統行事の実演・体験が行われています。体験・実演・展示の種類は350以上にも上るそうです。

 

房総のむらは有料の「ふるさとの技体験エリア」と無料(一部施設有料)の「歴史と自然を学ぶ風土記の丘エリア」の2つに分かれ、51ヘクタールという広大な面積を誇ります。これは東京ディズニーランドとほぼ同じ広さです。

 

 

「東京ディズニーリゾート」としての面積は100ヘクタールにもなる。


 

「ふるさとの技体験エリア」では人々で賑わう町場の景観を再現した「商家の町並み」、千葉の上総、下総、安房地方の農家を再現した建物などがあり多くの展示や演目が行われています。

 

「歴史と自然を学ぶ風土記の丘エリア」は雑木林に囲まれた散策エリアで、文化財建造物や龍角寺古墳群と呼ばれる古墳がたくさんある歩きがいのあるエリアとなっているようです。

 

コチラの房総のむらへのアクセス手段ですが、JR成田線安食(あじき)駅からバスを利用するかもしくはJR成田線下総松崎駅から徒歩約30分です。ただバスは本数が少ないようなので基本的に鉄道を利用する場合は下総松崎駅から徒歩で行くことになるでしょう。

 

 

 

房総のむらに行こう

 

下総松崎駅です。JR成田線の駅で成田駅の隣に位置しています。成田線は本線・空港支線・我孫子支線の3種類が成田駅から延びており、それぞれ行き先が異なります。今回の下総松崎駅は「我孫子」〜「成田」間を結ぶ我孫子支線の駅なので気を付けましょう。

 

一部列車は常磐線に直通し上野駅まで、さらに品川駅まで行く列車もあります。案内はされていませんが「上野東京ライン」の一角です。

 

毎時2本運行のわずかに東京都心のベッドタウン色がある路線となっています。10の数字があったととしてローカル線7、通勤路線3くらいの雰囲気でしょうか。

 

 

それでは出発です。駅前には住宅しかありません。

 

 

駅前の看板に房総のむら2.5kmと書かれています。2.5kmというのはGooglemap曰く、徒歩約30分だそうです。

 

 

駅周辺にはコンビニひとつ見当たりません。

 

 

この画像には誰もいませんが、歩いている人はそれなりに見受けられます。

 

 

房総のむらまで後1.6kmです。

 

 

道中に湖畔が整備された池を見つけました。ここは坂田ケ池総合公園というそうです。

 

 

釣りは一部のエリアなら可能で、鯉やマブナやヘラブナが釣れるようです。

 

 

芝生広場は行楽客で賑わっていました。子どもの楽しそうな声が聞こえてきます。画像上にあるつり橋は渡ることができ、走ると結構揺れます。ちなみにここにはキャンプ場もあり先ほどの釣りのできる池、アスレチック、ローラー滑り台など遊べる場所は豊富なようです。

 

 

池には浮橋があり、橋のまわりには餌を求めて鯉などが集まってきます。

 

 

公園から階段を上がった先に山のようなものが。これは龍角寺古墳群という古墳の一つで、古墳がこの一帯の成田市と栄町に114基存在します。なぜここに古墳群が形成されているのか明らかになっていません。そしてこの古墳は第101号墳と名付けられています。

 

印旛沼を望む高台の上に造られいくつもの埴輪、装身具、馬具や武器、人骨が出土しているようです。

 

 

この埴輪がここから出土したものなのでしょうか。

 

 

龍角寺古墳群一帯には古墳の場所を示す看板が立っています。

 

 

古墳の場所は草木が生い茂り見えにくくなっていますが、盛り上がった感じがあるのでなんとなくわかります。

 

 

この建物は何でしょう。

 

コチラは重要文化財の「旧学習院初等科正堂(きゅうがくしゅういんしょとうかせいどう)」。学習院の講堂として1899年に現在の東京都新宿区に建築され、1937年に現在の成田市立遠山中学校の講堂として成田市に移築されました。

 

西洋建築のデザインを取り入れつつ、日本の伝統的木造建築の技術で造られています。明治時代の学校建築としては数少ない貴重な建物なんだそうです。

 

この建物内でAKB48と乃木坂46のとあるPVの撮影が行われた経歴があります。

 

 

お〜い〜でシャ〜ン〜プ〜♪


 

 

辺りは雑木林になってしまいました。ここどこ?

 

 

案内板を見つけました。この案内板を頼りに房総のむらを目指そう。どっちへ行けばいいんだ?

 

・・・・・と思いきやもうすでに房総のむらの敷地に入っていたようです。この雑木林は「歴史と自然を学ぶ風土記の丘エリア」の一部で、散策コースとなっています。

 

 

いや本当に古墳が多いな。歴史と自然を感じるなぁ。

 

 

雑木林の中に古い家を発見。これは重要文化財の「旧御子神(みこがみ)家住宅」で元々は千葉県の安房郡丸山町(現南房総市)で1779年に建築されたものです。農家の住宅としては典型的な建物のようです。

 

 

ほぼ同じ場所にもう一軒。こちらは県指定有形文化財の「旧平野家住宅」。富津市で1751年に建築され、千葉県に残る江戸時代中期の農家としては規模の大きいものとなります。

 

 

旧平野家住宅の土間に上がります。風情がありますね。

 

 

雑木林を抜け舗装された道路に出ました。房総のむらは近いか?

 

 

看板がありました。房総のむらの商家の町並みがある「ふるさとの技体験エリア」はこの先のようです。

 

 

想定していたルートからだいぶ外れてしまったがたどり着いたのでヨシ!!


 

 

今回は改修工事のため臨時休業になっていましたが風土記の丘エリアには「房総風土記の丘資料館」という施設があります。

 

龍角寺古墳群を中心に千葉県内から出土したものを展示、房総半島の生い立ちと歴史、生活の移り変わりなどがテーマです。

 

千葉県内で唯一の考古学専門の博物館であり、もともとは房総のむらの施設ではなかったようです。

 

 

風土記の丘エリアの東側に岩屋古墳(龍角寺古墳群105号墳)という、この一帯にある古墳とは比べ物にならない大きさの古墳があります。古墳時代終末期の方墳としては全国第1位の規模を誇る山のような古墳です。形状的に上に登って景色を見たり芝滑りをしたくなりますが、古墳は昔のお墓なので登るのはやめましょう。

 

 

一辺の長さは78m、高さは13.2mです。千葉県における最も広い面積をもつ国の史跡となっています。

 

 

西石室と東石室の出入口がそれぞれ確認できます。西石室の奥行きは4.8mある模様です。

 

 

東石室の奥行きは6.5mあるようですが出入口が塞がってしまっています。関東大震災の影響で崩落してしまったようです。

 

 

次はいよいよ房総のむらのメインとされる「ふるさとの技体験エリア」に向かいます。

 

 

有料エリアの入場口の前に「コスプレの館」がある。ここが成田空港に近いということを活かして忍者やハイカラさんなどになれるコスプレ体験、売店、日本文化体験スペースを有する国際観光拠点です。

 

こちらは房総のむらの施設ではなく、隣接する「ドラムの里」の施設になります。ドラムの里については後ほど。

 

 

房総のむらの管理棟・事務室である千葉県会議事堂。1880年に千葉市に建設され、1911年まで使用された2代目の千葉県会議事堂を房総のむらで再現した建物です。出入口のちょっとだけなら中に入れます。

 

 

自由に見学できる部分には房総のむらで行われたロケ実績の展示物があります。その景観・雰囲気を活かして多くの撮影がここ房総のむらで行われているのです。

 

 

こちらは房総のむらのマスコットキャラクター「ぼうじろー」。ホウジロという鳥で「農業がんばる!」といったら館長さんに雇ってもらうことに成功し、房総のむらで作っている野菜についた虫を食べる仕事をしています。そのためかぽっちゃり体形です。房総のむらが大好きなので飛ぶことは忘れてしまったそう。

 

 

いざ、パンフレット等を受け取り房総のむらへ。入場料は300円と安いです。

 

 

出入口付近にあるのは房総のむらの顔である商家の町並み。千葉県内に残る佐原の町並みをなどを参考にし、17軒の建物が軒を連ねています。

 

 

雰囲気ばっちりですね〜。あまり人がいないのは閉館時間が迫ってきているからです。開館時間は2021年11月現在、午前9時〜午後4時30分となっています。

 

 

一部の建物は展示室になっており自由に出入りできるようだ。

 

 

靴を脱いで2階に上がることもできる。

 

 

ここでは房総の和菓子について展示をしているようだ。菓子の始まりは果物や木の実と言われ、当時は砂糖がなく甘みのある植物からとったものだった。

 

 

房総の特産品を材料にした東総の落花煎餅、南房総の枇杷羊羹、成田山新勝寺の栗羊羹、米の集積地として有名な木下で作られた煎餅などがある。

 

 

人が集まっている場所がある。気になって行ってみるとそこでは鍛冶の実演が行われていた。本職の鍛冶職人が汗ばみながら、ハンマーで熱した鉄を打ち農具や包丁などを作っている。

 

 

なかなか貴重な光景。


 

 

次は商家の町並みから外れたところに行ってみよう。

 

 

房総のむらの有料エリアからも風土記の丘資料館に繋がる道がある。先ほど言ったように改修工事のため臨時休業になっているので今回は行きません。

 

 

こちらは江戸時代末期の佐倉藩中級武士の家を再現した武家屋敷。玄関と座敷をという客用の部屋と居間・茶の間・台所・土間という家人の部屋と区別する間取りになっている。

 

 

上総の農家。上総とは現在の千葉県の木更津、市原、いすみ、勝浦の辺りを指す古い地名です。

 

この家は上総国の代表的な名主クラスの農家を再現し、敷地は約760坪。使用している材木はすべて国産で樹齢150年のマツを使用した箇所がある。

 

 

靴を脱いで上がることができます。畳の上を歩くとなんだか懐かしさがこみ上げてきます。

 

 

房総のむらのもっと奥へ行ってみよう。

 

 

上からぶら下がっているこれは上総地方で行われる「綱つり」。毎年1月12日、木更津市金田地区では各町との境などに綱をつり、町内繁盛と災いを防ぐ願いを込めます。吊るすものによって悪いものを怖がらせる、災いを通せんぼする、災いをはねのけるなどの様々な意味があるのです。

 

 

奥の方はあまり人がいませんね・・・。

 

 

これは佐倉市井野地区の「辻切り」。辻斬りとは霊力によって悪霊などを遮断することいいます。

 

毎年1月25日に村の人々が六つの組に分かれて集まり、わらで蛇を作ります。神前にお供えした米、麦、豆、粟、とうもろこしを和紙にくるんで蛇の目にし、完成した蛇を村の境目にある一本の木に巻きつけます。

 

 

安房国の一般的な農家を再現した安房の農家。安房国とは現在の千葉県の鴨川市や南房総市、館山市辺りのことです。

 

主屋・馬小屋・灰小屋の3棟で屋敷を構成しており敷地面積は338坪。主屋は江戸時代後期の建築で主屋は床張りの部分と土間の部分を廊下で繋ぐ間取りになっています。このように二つの建物を並べて建てる様式を「別棟造り」と呼び、安房地方に多く残っています。

 

 

出入口にあるコチラは安房郡鋸南町吉浜地区に伝わる「蟹殻掛け」。タカアシガニの甲羅に鬼面のような顔を墨で書いて、家の入口に飾ります。災厄除けになるとして漁師の家に見られます。特に日を決めて作るものではないそうです。

 

 

下総国の一般的な名主の家を再現した下総の農家。下総国とは現在の千葉県北部、茨城県南西部のことを指します。

 

主屋・長屋門・土蔵・灰小屋・木小屋・作業小屋の6棟で屋敷を構成し、敷地は約665坪です。長屋門には馬小屋・納屋・小部屋があり灰小屋は便所と堆肥置き場として、木小屋は焚き木・わら置き場として使用されていたようです。

 

 

野菜の無人販売が行われていた。大根・ほうれん草が100円、さつまいもが200円です。

 

 

房総のむらの営業時間は16時30分までとなっており、終了30分前になると警備員が巡回し始めます。房総のむらは広いので終了時刻が迫ったら余裕を持って行動し、すみやかに退場しましょう。

 

 

最後は房総のむらに隣接する「ドラムの里」に行ってみましょう。道の駅的な施設でレストランや物産館を備えています。17時までの営業となっています。

 

 

ドラムの里のドラムとは栄町のキャラクターです。龍(ドラゴン)の「ドラ」と夢の「ム」を合わせて「龍夢(ドラム)」と名付けられました。町民に夢や未来を与えるという意味が込められているのです。

 

 

農家レストランの「ゆめテラス」で生ソフトクリームを食べましょう(380円)。千葉県成田市にある「成田ゆめ牧場」から直送された牛乳を使用した極上のソフトクリームです。

 

 

ソフトクリームも食べて満足したところで、房総のむら探索は終わりとします。なんだかんだで3時間くらいいた気がします。

 

 

 

まとめ

 

房総のむらは房総の歴史と文化をテーマにした参加型体験博物館です。

 

大きく二つのエリアに分かれ「歴史と自然を学ぶ風土記の丘エリア」は無料で、雑木林の散策コースの中には文化財建造物や龍角寺古墳群があり、それらを探しながらウォーキングが楽しめます。龍角寺古墳群の中でもひときわ大きい「岩屋古墳」は千葉県における最も広い面積をもつ国の史跡となっています。今回は行けませんでしたが千葉県内各地の遺跡から出土した考古資料を展示する「風土記の丘資料館」も見どころです。(資料館は有料)

 

もうひとつの「ふるさとの技体験エリア」は有料で、商家の町並みを中心とした場所でさまざまな展示や演目が行われています。その数は350以上にも上り、伝統文化、歴史や自然についての学習の場になっているのです。商家の町並みはロケ地として人気を集めるほど風情ある場所なのです。隣接する「ドラムの里」で買い物や食事を楽しむのも良いでしょう。

 

 

全て見て回ろうとすると相当な時間がかかるので、時間に余裕を持って行動しよう。


 

 

 

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