股の下をくぐって無病を祈願。万満寺の仁王さまの股くぐり。
万満寺の股くぐりってナニ?
松戸市の馬橋駅付近に立地する万満寺(萬満寺)で行われる伝統行事のことです。江戸時代から続くと言われ、国の重要文化財に指定されている仁王様(木造金剛力士立像)の両足の間には50cm四方の隙間が開いており、そこをくぐるというものです。股の下をくぐれば病気や厄除けになるだけでなく、子供は丈夫に育つと伝えられています。
この行事のルーツは江戸時代に疱瘡(ほうそう)という高熱や発疹が引き起こされる病が流行し、当時は小児がかかると命に関わる重大な病気でした。そこで人々は疱瘡除けの仁王様として股の下をくぐったといいます。これが評判となり、江戸詰めの大名や旗本の代参も多数訪れました。そしてこの行事は受け継がれ、現在も無病息災を願って人々は仁王様の股の下をくぐっています。
江戸時代からってことは500年以上も歴史があるんだ。
ただいつでもできる、というわけではなく春と秋に開かれる例祭と正月にくぐることができます。
こちらの行事が行われる万満寺へのアクセスですが、JR常磐線各駅停車「馬橋駅」から徒歩約3分です。かなり近いですね。
万満寺に行こう
最寄り駅となる馬橋駅です。万満寺は南口から歩いていきます。
駅前に商店街、少し離れると住宅街です。
馬橋駅から徒歩3分とあっという間に着いてしまうため少し寄り道していきましょう。
馬橋駅周辺には駅名の由来となった「馬橋」があります。馬橋とは国道6号沿いを流れる長津川に掛かる旧水戸街道の橋のことを指しています。
馬橋(まばし)
鞍型の橋から名が生れる。
「馬橋」という地名のもとになった橋である。
その昔、長津川にかかる旧水戸街道のこの橋は多くの旅人が往来したが、大雨の旅に流された。
そこで、万満寺と縁のあった良観上人が馬の鞍の形をした橋をかけたところ、それ以後、流されることはなくなった。
今、「鞍」を思い起こせるものは何もないが以来、人々はこの橋を「馬橋」と呼ぶようになった、と伝えられる。
つまり当時の馬橋はもうない、ということですね。ちなみに「鞍(くら)」というのは人が馬に騎乗する際に用いる道具のことです。
馬橋の下を流れる長津川です。流域はほぼ住宅街のようです。
馬橋の由来を知ったところで改めて万満寺へ向かいます。
馬橋駅から徒歩3分のため、もうすぐ着くはずです。
大きな山門が姿を現しました。こちらが万満寺となります。さっそく境内に入ってみましょう。
因みに馬橋駅に近いがために明治時代、汽車の火の粉によって僧侶の修行場である伽藍(がらん)が火事になったことがあるようです。
山門をくぐると次に姿を現すのが仁王門です。仁王さまの股くぐりが行われる仁王様(木造金剛力士立像)はこの門の両端に安置されているとのことのですが・・・・・。
見えませーん。
どうやら祭礼時でないと姿が見れないようです。まあ、仕方ないか・・・。
2021年度の秋季大祭は10月28日10時、11時と書かれていますが股くぐりは中止となっています。新型コロナウイルスの影響なのでしょう。
境内の中を歩いてみましょう。
「文化財 守る心も 文化です」。確かに、守る心がないと文化というものは時代とともに廃れていくと思う。形あるものも、ないものも。
仁王門の先に進みます。
義真弁才天(小僧弁天)
江戸時代、当山に義真という大変利発な小僧さんがおりました。一番年下ですがお経を唱えるのも一番、議論をしても誰もかなわないなど将来を期待されていました。
しかし、余りのいたずら好きの為にある日、とうとう寺を追い出されてしまいました。日ごろ馬鹿にされていた男は、それを好いことに「こらしめてやれ」と彼を捕まえて簀巻きにして坂川に放り込んでしまいました。すると不思議なことにそこから白蛇がスルリと抜け出し、何処へと泳ぎ去っていったと言うことです。
白蛇は義真弁才天のお使いとされ村人たちは「義真は弁才天の化身であった」と言い義真弁才天として祀られる様に成りました。義真弁才天は学芸、知識の神様です。お参りすれば学業、歌舞音曲などに後利益があります。
境内の一番奥にある本堂です。最後はお参りして帰るとしましょう。
まとめ
仁王さまの股くぐりとは、万満寺の仁王門に安置されている仁王様(木造金剛力士立像)の股の下をくぐることにより無病息災を祈願する行事です。全国的に珍しい行事とされており、春と秋に開かれる例祭、正月に行われます。恐らく仁王様はこれらの日にしか見ることができないのでしょう。
2021年度は新型コロナウイルスの影響で行われませんでした。思ったのですが、股くぐりの行事は無病息災を祈願するために行われるもの。さすがの仁王様も未知のウイルスと戦うためには相手の分析が必要、と判断したのでしょうか?
仁王様が苦労するほどのコロナウイルス、恐ろしいヤツだ。
最寄り駅
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