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東京湾の埋立地に残された谷津干潟。水鳥集まる都市部のオアシス。

谷津干潟ってどんな場所?

千葉県習志野市の東京湾の最奥部、埋め立て地に残された約40ヘクタールの干潟です。埋め立てにより都市化された土地の中心に長方形の形で広がっています。東京湾の干潟は1960年代から1970年代にかけて急速に埋め立てが進み、都市化が進行していきました。この埋め立てにより東京湾の干潟は次々と消滅してしまいます。

 

東京湾に接する習志野市も例外ではありませんでした。しかし一部だけ埋め立てを逃れた場所があります。それが「谷津干潟」です。

 

 

この干潟は東京湾に飛来する渡り鳥の重要な中継地点になっていることが指摘され、保護活動家の宣伝や清掃活動によって干潟の重要性が広く市民の間にも広まります。当時の千葉県や習志野市はこの干潟を埋め立てる前提でしたが1977年に鳥獣保護区に指定されたために干潟の保護に転じます。

 

その後1988年には国指定谷津鳥獣保護区に指定、1993年にはラムサール条約登録地に登録に登録されます。ラムサール条約とは「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」という意味があります。

 

この谷津干潟では80〜100種程の鳥類、28種の魚類が確認されており水鳥は一年を通してその姿を見ることができるため、バードウォッチングをする人が見受けられます。干潟の周辺は遊歩道や公園が整備されておりランニングや散歩をする人も多く集まります。都市化された土地に残るオアシスと言えるでしょう。

 

 

谷津干潟の外周は3.5kmと結構あるみたい。


 

今回はこの谷津干潟に行ってみましょう。外周して鳥類の姿、周辺施設等を調べていきます。

 

谷津干潟に行こう

 

谷津干潟の最寄り駅は京成線「谷津駅」です。普通しか止まらないため快速や特急に乗ってしまうと行き過ぎてしまいます、注意しましょう。

 

 

ホーム上にある案内板です。ラムサール条約登録地 谷津干潟 徒歩約5分と書かれています。かなり駅から近いようですね。

 

 

谷津干潟は谷津駅の南にあるので南口から向かいます。駅前はなかなか栄えており、本当にこんなところに干潟があるのかと思うくらいです。南口前はペデストリアンデッキになっているので階段を下ります。

 

 

ペデストリアンデッキ下です。人通りはそこそこあります。病院やコンビニ、ドラッグストアが駅前に立地しており駅前の利便性は良さそうです。

 

 

さらに駅前には谷津遊路商店街が広がります。こちらの商店街は谷津干潟方面への道にもなっていますのでここを通ります。

 

 

商店街は全体的に飲食店が多い印象だった。ラーメン屋、日本料理店、インド料理店etc・・・

 

 

商店街を抜けました。干潟まであと半分ぐらいでしょうか。

 

 

商店街の先はマンションが多く立ち並ぶ住宅街です。近くに公園が隣接しています。ここまで来れば干潟はもうすぐです。

 

 

道路が終わり、ここから先は歩行者と自転車しか入れません。

 

 

水辺が見えました。ここが谷津干潟のようです。

 

 

ということで谷津干潟に到着しました。谷津駅からくると干潟の北側に近く、徒歩10分ぐらいでしょうか。あの谷津駅の駅前からは想像もできないほどの見晴らしで本当にここだけ開発されず干潟が綺麗に残されています。

 

因みにイベントや許可でもない限り干潟の中に立ち入ることはできません。保護対象になる前は自由に入ることができたようですが。

 

 

干潟とは不釣り合いなマンションが建っているのに…

 

 

干潟の上ににはちょっとだけ京葉線が跨いでいます。「南船橋」〜「新習志野」間です。

 

因みに谷津干潟には京葉線「南船橋駅」から行くこともできます。京葉線は東京駅まで行くため一つの選択肢としてアリです。あちらから来ると谷津干潟の南西部に近いです。

 

 

東京駅の京葉線ホーム、うっ、頭が・・・。


 

 

谷津干潟の外周は遊歩道となっており自由に散策することができる。外周は3.5kmと長いためランニングをしている人が多いです。

 

ここからはこの遊歩道を歩いて谷津干潟を散策していきます。何が見られるのでしょうか。

 

 

谷津干潟に飛来する鳥類の覗き穴がある。谷津干潟には通年多くの水鳥が確認できるためバードウォッチングのスポットとしても人気があります。

 

 

どんな鳥がいるのか少し見てみましょう。

 

 

「ダイサギ」

 

全長90cm。一年中見ることができます。白いサギの中では一番大きく、頸(くび)は特に細長く見えます。夏羽と冬羽では嘴(くちばし)の色が違い、夏羽では黒く、嘴から目の間が青くなり、背と胸のあたりに飾り羽と呼ばれる羽がはえます。冬羽は嘴の色が黄色くなり、飾り羽がなくなります。

 

 

「アオサギ」

 

全長93cm。一年中見ることができます。サギの中では一番大きく、目の上から後頭まで紺色の帯が通っており、後頭にある冠羽(かんう)と呼ばれる羽が後方へ垂れ下がっています。のどのあたりから胸のあたりまで縦に線があるのが特徴です。

 

 

「カワウ」

 

全長82cm。大きな黒い鳥です。「鵜の目鷹の目」のとおり、集団で水に潜って魚をたくみに追い回して採り、くわえた魚を頭から丸飲みする様子が観察できます。繁殖期には顔と足の付け根に白い羽がはえます。目の色はエメラルドグリーンで美しいです。

 

軽く観察してみたところ3種類の鳥が確認できた。すぐに飛び立ったりしないのでゆっくり観察できますよ。

 

 

再び谷津干潟を歩く。ここは干潟の東側で木などがなく最も見晴らしがよい。この辺りは干潟の水深も浅いためか鳥が多く集まっている。

 

 

鳥獣保護区の赤い看板。マンションを背景にこの看板を見るのはなかなか新鮮な気がします。

 

 

谷津干潟の南側、途中からは谷津干潟公園に入る。

 

 

公園内にある谷津干潟自然観察センター。 谷津干潟や公園の身近な自然に親しみ、学ぶことのできる施設です。

 

 

緑豊かな公園内を歩いて干潟の南側を進む。

 

 

干潟の南側には湾岸道路や東関東自動車道が通っています。交通量が多いため車の走る音が聞こえてきます。

 

 

公園を抜けて干潟の南側です。よーく見ると干潟の奥に高層ビル群の幕張新都心が見えます。

 

 

ここは干潟の出入口でしょうか?

 

 

あれま!道路に出ちゃった!!干潟から少しでも外れればありふれた光景が目の前に現れます。

 

ここは干潟の南西にある若松交差点です。この辺りは習志野市と船橋市の境界に近いのでここまで来ると京成線の谷津駅よりも京葉線の南船橋駅のほうが近くなります。

 

干潟を一周して谷津駅に戻るつもりでしたが、ここからはルートを変えて谷津干潟もう一つの最寄り駅である南船橋駅に行ってみましょう。

 

 

若松交差点にある歩道橋を渡り湾岸道路の南側に移動します。

 

 

南側に移動したら後は京葉線の線路に沿って西に進むだけです。船橋市と習志野市の境界があります。

 

 

徒歩5分程で南船橋駅に着きました。あれ・・・?谷津駅寄りも南船橋駅の方が近くない?谷津干潟って名乗ってるものですからてっきり谷津駅が一番近いと思ってましたよ。まあでも谷津駅は干潟の北側、南船橋駅の干潟の南西と場所によって使い分けることはできますね。

 

南船橋は京葉線の駅で快速が止まり、武蔵野線との乗り換え駅でもあります。徒歩5分程の場所には先ほどの干潟に加え、ららぽーとTOKYO-BAYが立地します。ららぽーと最大の店舗面積を持つ大規模ショッピングセンターです。

 

 

ららぽーとの最寄り駅だから南船橋駅の利用客は多めだ。


 

 

 

まとめ

 

谷津干潟は習志野市の埋め立て地に残された干潟で、渡り鳥の重要な中継地点です。周辺は都市化が進行されながらも干潟だけ開発されることなくそのままの自然を残しています。そして干潟は周辺住民の憩いの場として親しまれ、上手く共存しています。

 

東京湾沿いは高度経済成長期に埋め立てや開発が急速に進み自然の干潟はほとんどなくなってしまいました。この谷津干潟も例外ではありません。東京湾に面してはいないものの、干潟に飛来する渡り鳥の存在、保護活動家の活動によってここだけ埋め立てを免れることができたのです。

 

 

ここがなかったら渡り鳥はどこを中継地点にしていたんだろう?


 

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