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生産量全国1位、千葉県名物の落花生について知る。

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生産量全国1位、千葉県名物の落花生について知る。

落花生とは?

「ピーナッツ」とも呼ばれる一年草で、日本では主に食用として栽培されている植物です。

 

草丈は25〜50cmほどで自家受粉を行い、夏場に黄色の花を咲かせます。花を咲かせてから数日後、先端がとがった子房柄(しぼうへい)が下に向かって地中にもぐりこみ、地中にもぐりこんだ子房の部分が膨らんで殻のついたマメを実らせます。

 

その生態は「落花生」の名前の由来になっており、「落」ちた「花」から実が「生」える、ということから「落花生」と呼ばれています。英語でよく使う「ピーナッツ」は「pea(豆)」と「nut(木の実)」を足して「木の実のような豆」という意味があります。

 

 

落花生の名前の由来、納得!!


 

そのマメは油脂含有分が高く、栄養価が高いだけでなく味が良いです。炒ったり茹でたりしたものをそのまま食べたり、小麦粉の衣をつけて揚げた豆菓子や、チョコレート菓子などの加工品も多く生産・販売されています。

 

 

日本ではなじみ深い落花生、全国で幅広く生産されており、最も生産量が多い都道府県は千葉県となっております。千葉県は国内シェア7割と突出しており、全国有数の落花生の産地なのです。

 

千葉県内では県内の中央部にある八街市が生産量日本一です。さらに全国の市町村としても生産量日本一を誇っています。

 

 

読み方が難しいですが、八街(やちまた)市と読みます。東京都心から50〜60kmぐらいの場所で近郊農業が盛んな町です。

 

 

市の中心駅である八街駅の前には落花生のモニュメントがあります。市が誇る名産品です。

 

落花生と言えば千葉県!!とはいっても過言ではないほど。ちなみに落花生生産量全国第2位は千葉県お隣の茨城県です。隣同士、2県並んで日本トップクラスの落花生の産地なんですね。

 

 

 

落花生のルーツ

 

 

落花生の産地として知られる千葉県、なぜ千葉県で落花生なのか?どのようにして始まったのか?調べてみました。

 

 

落花生の原産は南アメリカ大陸。東アジアを経由して、1706年に日本に持ち込まれ「南京豆(なんきんまめ)」と呼ばれた。日本で初めて栽培がおこなわれたのは1871年(明治4年)、神奈川県大磯町の農家である。

 

 

あれ・・・・・?落花生って日本の原種じゃないの?千葉県から全国に広がったんじゃないの?

 

 

落花生ってはるばる外国からやってきたんだ・・・・・。


 

これは意外でした。落花生は日本のものではなく、外国から海を越えてやってきたものだということを!!ちなみに現在の日本での栽培種はこの南京豆ではなく、明治維新以降に導入された品種のようです。

 

 

もうひとつ気になる点。日本で始めて栽培されたのは千葉県ではなく、神奈川県の大磯町という場所だということ。1871年、大磯町の農家の渡辺慶次郎(わたなべけいじろう)が横浜の親戚から落花生を譲り受け、自分の畑にまいたのが始まりとされています。後に栽培した落花生を横浜の駄菓子屋に売り込んだところ、採算がとれる商業生産への見通しがたつほど盛況となりました。

 

そして1874年、現在の千葉県の山武市において疲弊から村民を救うため、農家の牧野萬右衛門(まきのまんうえもん)がいち早く試作に取り組む。これが千葉県内での落花生の栽培の始まりである。

 

 

背景には千葉県北部の大地は火山灰が多く作物の生産に不適正な環境だったことがある。しかし落花生はやせた土地や干ばつに強く、栽培の手間もかからない。

 

ちなみに当初の農家には落花生の栽培に抵抗があった。落花生は名前の通り花が枯れて落ちて実をつけるため縁起が悪い、とのこと。

 

後に品種改良で1953年に誕生した「千葉半立」は栽培が容易で、安定した収量からたちまち千葉県内に広がった。誕生から60年以上たった現在でも千葉県内の作付面積約60%を占め、主力品種であり続けています。

 

昭和以降、品種改良が活発になり千葉県にある農林総合研究センターの「落花生研究室」では、「ナカテユタカ」「郷の香」「おおまさり」といった様々な品種を開発することでブランド化、高齢化による減少傾向の栽培農家数の回復にも力を入れています。

 

 

2018年にデビューした「Qなっつ(キューナッツ)」は品種改良を繰り返し十数年の歳月をかけてできた落花生。最大の特徴としてはっきりとした甘みが挙げられています。名前の由来はアルファベットの並び順でPの次がQ、つまり「いままでのピーナッツを超える味」という意味が込められています。「P」より「Q」、ですね!!

 

 

 

落花生を使用した加工品

 

甘くて香ばしい落花生には、加工品がたくさんあります。その中から一部を紹介しましょう。

 

 

みそピーナッツ。炒り落花生を甘辛い味噌であえたお惣菜で、落花生の原産地である千葉県と茨城県の郷土料理です。「みそピー」と呼ばれておりスーパーでも販売されています。甘辛い味、落花生の香ばしさががおつまみやご飯によく合います。

 

みそピーナッツの発祥は、落花生農家の人たちが商品にならない規格外の落花生を食べるため、炒った落花生に味噌と砂糖をからめて作ったのが始まりとされています。

 

 

豆菓子。小麦粉の衣を付けて揚げたものに醤油やコーヒーなどで味付けしたもの、砂糖を絡めたものなどがあります。

 

 

ピーナツせんべい。落花生を使用したお菓子で、パリッとしたたまご煎餅に落花生を混ぜたものです。

 

 

ぴーなっつ最中。落花生の甘煮を練り込んだ餡を、落花生の形をした最中に詰めた和菓子です。発売から20年以上たつ歴史のある和菓子で、ギフトやお土産に最適です。2018年には日本ギフト大賞で千葉賞を受賞しました。

 

日本ギフト大賞とは、ギフトの活性化により日本人の心の交流を深め、日本の文化と産業を豊かにすることを目的として2015年に創設されたものです。

 

 

落花生の加工品は上記で紹介したもの以外にもまだまだあります。「ピーナッツバター」「豆おこし」「落花生の甘納豆」「カステラ」etc......様々な加工品に姿を変える落花生を楽しみましょう。

 

 

 

まとめ

 

 

全国ナンバーワンの落花生の産地、千葉県はとにかく落花生推し。品種改良により優れた味の落花生を作り出すことでブランド化したり、「みそピーナッツ」といったソウルフード、様々な加工品があります。

 

落花生と言えば千葉県といっても過言ではないですが、落花生栽培の始まりは千葉県ではない。しかも落花生は日本の原種ではなく、原産地は南アメリカ大陸。はるばる海を越え神奈川県の農家から千葉県に広がっていったというわけです。今やすっかり千葉県の名産品となりました。

 

 

大地がもたらす自然の恵み、千葉の落花生はおいしいぞ!!


 

 

 

生産が盛んな市町村の駅

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