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都心から最も近い干潟、三番瀬は東京湾の恵みと自然を教えてくれる場所。

三番瀬ってどんな場所?

「さんばんぜ」と読みます。千葉県の習志野市・船橋市・市川市・浦安市の東京湾の最奥部に位置する約1800ヘクタールの干潟です。深いところでも干潮時の水深が約5mと比較的浅いです。日々繰り返される潮の満ち引きにより、土の中に酸素が供給され多くの生き物を育てています。

 

 

東京湾と聞くと海岸は開発され、海があまりきれいではないとイメージしがちですが三番瀬はその自然を活かした東京湾屈指の魚場として知られているようです。戦後の高度経済成長期に埋め立てられてしまった場所もありますが、海苔やアサリを筆頭に現在でも漁業が盛んにおこなわれています。

 

海の生き物だけでなく干潟に生息するハゼやアサリ、カニなどを狙って水鳥も多く飛来してきます。開発が進んだ東京湾沿岸で多種多様な生物相が築かれている貴重な場所なのです。

 

 

東京湾沿岸は埋め立て地、工場や倉庫だらけのイメージが強いがわずかながら自然が残されている。


 

このように三番瀬は習志野市・市川市といった東京都心に近い場所、干潟の生物相に富み、アサリがたくさん採れることから都心に最も近い潮干狩り場として知られています。そのアクセスの良さが相まって首都圏各地から多くの潮干狩り客を集めているようです。

 

今回はこちらの三番瀬がある「ふなばし三番瀬海浜公園」に行き都心から最も近い潮干狩り場がどのような場所なのか、その目で見てみましょう。

 

ふなばし三番瀬海浜公園に行こう

 

「ふなばし三番瀬海浜公園」の最寄り駅はJR京葉線の「二俣新町駅」です。各駅しか止まらず、運行形態の事情で武蔵野線にもハブられているため電車の本数は15分に1本ほどと首都圏にしては控えめな本数です。

 

 

図を見てもらえばわかるが二俣新町駅は「デルタ線」と呼ばれる線路構造のなんとも言えない位置にある。そのため武蔵野線を利用して西船橋方面から来ると「南船橋」か「市川塩浜」のどちらかに行って一度下車し、京葉線の各駅停車に乗り換えなければなりません。

 

二俣新町駅から西船橋方面に行くときも同様です。これは不便ですね…。

 

 

高架のホームから見えるのは倉庫や物流センター。当駅周辺は京葉工業地域であり、利用客は倉庫や工場の通勤客が大半を占めているといいます。その土地柄か通勤時間帯以外は人が少なく、閑散としており当駅の利用客も京葉線では最も少ない約5000人です。

 

 

ホームから改札階に降りるとふなばし三番瀬公園への案内がある。当駅から徒歩で約2.5km、30分程歩きます。電車だとアクセスはあまりよくないかもしれません…。

 

 

駅の床に「バン」という名前の鳥が描かれている。三番瀬に飛来してくる鳥の一種だろう。

 

 

駅から外に出る。駅前には人が全然いない、駅前の施設はコンビニのデイリーヤマザキのみ。秘境駅…とはまでいかないかもしれない。

 

 

それでは、ふなばし三番瀬公園に向かっていこう。ちなみに二俣新町駅は市川市の駅だが船橋市との境界に近い。…しかし、こんな倉庫街に自然豊かな場所があるとは到底思えないのだが、実際に見てみるまではわからない。駅周辺だけではわからないその土地の隠れた姿を知る、それが鉄道と歩き旅の醍醐味なのだから。

 

 

自然とは程遠いこの場所に房総の魅力など微塵も感じないが、知らない世界が待っているはずだ。


 

 

案内板を見つけた。徒歩ルート約2kmと書かれている。

 

 

二俣交差点。上には東関東自動車道が通り、車の行き交う音が響き渡る。倉庫街ということもあってトラックが多い。

 

 

東京湾側に向かう。休日ということもあって人通りが少ない、本当に少ない。平日は通勤客が多いのかな。

 

 

工場と倉庫しかない・・・・・。本当に何もない・・・・・。

 

 

何の工場だろう。こういうのはなんか好き。公園から走ってきたのか、ランニングしている人がちらほらいます。

 

 

徒歩約20分、新港大橋を渡ると東京湾が見えた。目的地の公園は恐らく埋め立ててできたであろう島にある。

 

東京湾の向こうに見えるのは南船橋ですね。南船橋には全国にあるららぽーとの中で最大の店舗面積を持つ、ららぽーとTOKYO-BAYがあります。

 

 

二俣新町駅から徒歩約30分、ふなばし三番瀬海浜公園の出入口を発見。船橋海浜公園ともいうのかな。さっそく中に入る。

 

 

公園には三番瀬の他に様々な施設があるらしい。歩き回ってみるか。

 

 

出入口付近にあるのは野球場。今日は使われていなかった。

 

 

二俣新町駅と公園を結ぶバス停がある。さすがに駅から距離があるのでバス停がありがたい。本数は1時間に1本ぐらいのようだ。

 

 

公園でちょくちょく見かけるこのキャラクターは「アサリくん」。三番瀬に生息する代表的な生物のアサリをイメージしたものです。エコロジーというキーワードを踏まえたコンセプトもあるとのこと。

 

 

お、海が見えてきた。さっそく下りてみよう。

 

 

おー・・・・・これが三番瀬なのか!!今は潮が引いているのか、境目ではっきりとわかる。

 

この三番瀬は自然のものではなく人工的に作られたもののようです。しかし、ぱっと見で人工のものとは思えません。何も知らなかったら自然のものと思ってしまうでしょう、それほど自然にうまく溶け込んでいます。

 

 

干潟のいたる所に水鳥がいる。バードウォッチングが楽しめそうですね。

 

 

誰かが遊んだ後かな?

 

 

潮の引いた後がうねうねと残っている。こんなにもきれいに残るものなのか?

 

 

だんだん日が落ちてきた・・・・・。本当にあの倉庫だらけの二俣新町駅周辺とは思えません。ものすごいギャップ・・・・・。

 

 

遠くに見えるのは幕張新都心。干潟であのような高層ビルを見るのはなかなか貴重な光景・・・・・。

 

 

沖合にはポールが立っている。ここから先で潮干狩りは禁止!!というものだろう。ある程度範囲を決めないと採りすぎてしまって生態系に影響を及ぼしかねませんからね。

 

三番瀬も歩いたことだし、ほかの公園の施設も見てみよう。

 

 

飲食店とかもあるのか、営業時間は10時〜15時までらしく土・日・祝日は場合によっては17時まで営業することがあるらしい。

 

 

展望デッキがある。割と最近できたような雰囲気がある。

 

 

開放感のある芝生広場。後ろに倉庫が見えます。

 

 

富士山まで約118km、札幌まで約1000kmか。札幌と比べてしまうと富士山が近く感じる。

 

 

関東の冨士見百選選定地。100kmも離れた千葉県で富士山が見えるのだから、富士山ってすごいんだな。

 

 

最後に三番瀬の夕日を拝みます。奥に見える建物群は市川市、もしくは浦安市のものですね。この景色を撮影している人が数人いました。

 

夕焼けは美しい。だが、それを見ていられる時間は長くはない・・・・・。いつでも見られるものでないからこそ価値があり、夕焼けというものは美しく感じるのかもしれない。・・・・・なーんてクサいことを思いながら三番瀬を満喫したのでした。

 

 

 

まとめ

 

三番瀬は開発されつくした東京湾に残る、数少ないオアシスです。人工的なものではありますがうまく自然に溶け込み貴重な生態系を築いています。東京都心から最も近い潮干狩り場というのは間違いではありません。今回は潮干狩りの時期ではない頃に訪問したのでイマイチ魅力を伝えきれなかったかもしれませんが。

 

ここ三番瀬は東京都心から近く、利便性が良好です。なので開発されてしまうのは仕方のないことだと思います。しかしこのような自然の場所を少しでもいいから残してほしい。人工的なものでも構わないから作ってほしい。生き物にとっても人間にとっても自然はなくてはならない存在だ。自然は人間の心と体を癒し、そこに暮らす生き物も豊かにしてくれる。

 

 

三番瀬がこれからも人と生き物が共存できる場所でありますように。


 

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