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北総台地の恵みがもたらす千葉県のさつまいもは全国第3位の産出額。

さつまいもとは?

地中に伸びる地下茎が養分を蓄え、肥大化した部分を食用とする野菜です。その根(芋)はデンプンが豊富でエネルギー源に富み、60℃程度で長時間加熱するとデンプンを糖化する酵素が働いて甘味が増します。焼き芋やふかし芋はこの性質を利用し、さつまいもの甘みを最大限に引き出しているのです。

 

アサガオに似たピンク色の花を咲かせるようですが短日植物(一日の日長が一定時間より短くならないと反応が起きない)ため日本の本州といった温帯な地域では開花しにくく、花はほとんど見ることはできません。

 

名前の「さつま」とは鹿児島県西半部の旧国名のことを差し、1600年頃に中国から日本の琉球(沖縄)へ、そして鹿児島(薩摩)に伝わったのでさつまいもと呼ばれています。江戸時代には救荒作物として全国に広がりました。ん・・・?中国から来たということは日本が原産地ではないということですね。その話は後ほど。

 

 

さつまいもって日本のものじゃないの・・・


 

さつまいもは寒さに弱いため育てるのに適した気温は20℃〜30℃。なので北関東より南の温暖な地域で多く生産されます。日本における主な産地は鹿児島県・茨城県・千葉県・宮崎県・徳島県で鹿児島県が最も生産量が多いです。鹿児島県のさつまいもは全国の生産量35%を占めているといいます。

 

千葉県のさつまいもは生産量全国第3位で全国12.5%のシェアとなります。主な産地は千葉県北部の成田市・香取市・多古町とされています。さつまいも日光がよく当たる通気性に富んだ乾燥した土を好むため、これらの生産地はその条件を満たし栽培に適しているのでしょう。また肥沃な土地だと枝葉やつるばかりが伸びて実付きが悪くなるため痩せた土地が好ましいとされています。

 

 

千葉県のさつまいもにおける主なブランドは「ベニアズマ」「紅はるか」となります。ホクホクとした食感とほのかな甘みが特徴「ベニアズマ」、しっとりとねっとりとした食感とスイーツのような濃厚な甘みが特徴「紅はるか」をはじめ、多くの品種が生産され全国に出回っているのです。

 

 

 

さつまいものルーツ

 

 

日本全国お馴染みの食材として愛されるさつまいもですが、実は日本原産の野菜ではないのです。

 

さつまいもはメキシコを中心とする南アメリカが原産地とされています。アメリカからは15世紀の終わりにコロンブスがヨーロッパに持ち帰りましたが寒冷な気候だったため温暖な気候を好むさつまいもとは相性が悪く、あまり作られなかったようです。しかし後に暖かい気候のアフリカ・インド・東南アジアに持ち込まれることによって、世界中に広がっていきます。

 

東南アジアの次は中国に広がり、1600年に日本にもやってきました。現在の沖縄県である琉球、現在の鹿児島県である薩摩に伝わったのでこのことから「さつまいも」と呼ばれるようになります。

 

さつまいもは南アメリカ原産であり、以上のことからアジアでは外来植物という位置付けになるのです。

 

 

南アメリカでは5000年前ほどから食べられていたらしい。


 

本州には「青木昆陽(あおきこんよう)」と呼ばれる人物の手によって広まります。江戸幕府8代将軍「徳川吉宗」は飢餓の際の救荒食物として普及していたさつまいもの栽培を青木昆陽に命じる。さつまいもはエネルギー源が豊富でありながら繁殖能力が高く痩せた土地でも良く育つため江戸時代では救荒食物として広く栽培されていました。

 

青木昆陽は現在の小石川植物園(東京都文京区)・千葉市・九十九里町で試作をし、関東地方や離島においてさつまいもの栽培が普及、江戸時代に発生した飢餓で多くの人を救ったと評されています。

 

 

 

さつまいもを使用した加工品

 

甘くて食べ応えのあるさつまいもは主食からおかず・軽食やおやつまで幅広く調理や加工が行われています。ここでさつまいもを利用した加工品をちょっと見てみましょう。

 

 

干し芋。蒸したさつまいもを1週間程干して乾燥させたもので粘度のある噛み応えと甘みが楽しめます。表面に出る白い粉はさつまいもの自己分解で生まれた糖分が表面に出て結晶化したものです。難しい製法ではありませんが作るのに時間と手間を有するため値段は高めとなっています。

 

生産量が最も高いのは茨城県であり全国1位です。総生産量の9割が茨城県産であり、特にひたちなか市と東海村で多く作られているようです。

 

 

芋けんぴ。細く切ったさつまいもを油で揚げ砂糖を絡めたお菓子です。歯ごたえのある触感が癖になります。

 

発祥の地は高知県で名物菓子として知られています。芋けんぴの「けんぴ」とは江戸の昔から小麦粉を棒状に焼き固めて作った干菓子のことを指し、その形状に似ていることから「芋けんぴ」と呼ばれているのです。なお「けんぴ」は土佐弁です。地方によっては「芋かりんとう」と呼ぶこともあります。

 

 

お芋プリン。千葉県産のさつまいもである「べにはるか」をペースト状にし使用したポーションタイプのプリンです。一口サイズなので手軽に食べることのできます。一口サイズでありながら濃厚なさつまいもの甘みが口いっぱいに広がる一品です。

 

 

さつまいもアイス。さつまいもから作られるものは和菓子のイメージが強いですがこのような「さつまいもスイーツ」も存在します。スイートポテトを代表格にケーキやタルト、ブリュレなどラインナップは豊富です。和菓子にも洋菓子にもなれるさつまいもは万能なのです。

 

 

 

まとめ

 

さつまいもは南アメリカから多くの国を回ってやってきたもので、日本原種のものではありません。エネルギー源に富むことから昔は救荒食物として人々のお腹を満たし、現在はさつまいも特有のほのかな甘みで人々の舌を魅了しています。

 

千葉県のさつまいも生産量は茨城県に次ぎ全国第3位とトップクラス。「ベニアズマ」と「紅はるか」を筆頭に首都圏向けとして市場関係者から高い評価を受けており、首都圏のに近いさつまいもの産地として活躍しているのです。

 

 

一番好きなさつまいもの加工品は、干し芋です。


 

 

 

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